CarSim誕生まで
CAE担当時代②-FEM汎用ソフト利用開始(1976年~)
先回は私が入社後初めて配属された部署で有限要素法(FEM)との格闘が始まったお話でした。
今回はその続きでアメリカ生まれの新しいプログラムの話です。
このころ(1976年頃)アメリカ航空宇宙局(NASA)で使われていた「NASTRAN」という名前の有限要素法(FEM)による汎用構造解析プログラムが民間でも使用できるようになりました。それまでは、二次元に近似できる部品しか解析できなかったのですが、NASTRANでは三次元の薄肉(シェル)部品や厚肉(ソリッド)部品が解析できるようになり、強度解析の適用範囲が大きく広がりました。
しかし、三次元形状の部品を三角形、四辺形、又は三角柱、六面体に分割する作業を手作業でやらなければならず、また、応力等の結果は印字された数値でしか見られず、とても実用的なレベルではありませんでした。
そこで、自動メッシュ分割プログラムや各要素の応力を図化するプログラムを自作したりして対応しました。
次回はFEM解析がCAEの手法としてどんどん 発展していった話をします。